にーとのかがみ。

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三重は伊勢にある老舗 ゑびやが開発した需給予測AIがぶっ飛び過ぎな件

三重は伊勢にある老舗 ゑびやが開発した需給予測AIがぶっ飛び過ぎな件

どうも、ケンヂです。

新社会人のみなさんも活動を始めたようですね、僕はというと毎日ハイカラスクエアに入り浸る日々を続けております。

さて、今日はですね先日記事にしてお届けした松阪牛肉味噌の販売元でもあるゑびやさんの来客数を予想する需給予測AIに関するイベントに参加してきたので、その感想をまとめて紹介していくぞ~( ◜ω◝ )

多分この記事を読んでいる方の多くは『なにいってんだこいつ』状態になることが予想されますが、私の脳とあなたの脳は至って正常ですからご安心ください。

プロローグ:コザに来ざるを得ない

良いブログネタがある。イベントする。コザに来ざるを得ない。

ブログネタ……イグッ!!!

(※表現にはフィクションが混ざっています)

 

良いブログネタがある。そう誘ってくれたのは沖縄を背負って立つIT企業 株式会社レキサスに勤めている常盤木龍治さん(通称トッキーさん)だ。

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常盤木龍治

株式会社レキサスでエバンジェリストとして活躍している傍ら、国内外トップシェアプロダクトのPMや様々な企業で活躍しているパラレルキャリアを地で行くお兄さん。

 

色々な顔がありすぎてここでは説明できないので詳細はプロフィールページからどうぞ。

 

プロフィール:常盤木龍治のプロフィール

 

甘いエサに誘われて参加したはずのイベントが、まさかここまでぶっ飛んだイベントだなんてこのときの僕は知る由もなかったのだ…。

今回の立役者紹介

伊勢 ゑびやは食堂・屋台・小売を主な生業としている創業100年の老舗。お土産として貰った肉味噌が超絶美味でした(不要な情報)

老舗でありながら何故ベンチャーに足を突っ込んだのか、何故そうなったのか?気になる方は多いでしょうが、全ては2人の目論見から始まったのでありました。

 

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ゑびや 代表取締役 小田島 春樹(おだじま はるき)

 

北海道出身。ゑびやでは主に商品企画・マーケティングを担当。地域資源を活用した商品開発やAI・機械学習の活用研究し、AI活用システムの開発を成し遂げる。

 

『働く人も生産者もお客様もみんなHAPPYにする。』という理念に基づき日進月歩を続ける若き豪傑。

 

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ゑびや 新規事業開発プロジェクトマネージャー 堤 庸輔(つつみ ようすけ)

 

元々システム関連の業務については未経験であるものの、約3ヶ月程度でAzureを利用した「ゑびやシステム」構築。社内のシステム管理は勿論、食堂・商店の作業も難なくこなす何でも屋さん。

 

別名 エンジニア泣かせ(勝手に命名)

 

この説明だけではいまいちパッと来ないかもしれませんが、次項からその凄さがわかってくるはず。

次の項目では需給予測AIについて紹介していきます。

蓄積したデータから来客数を予測する需給予測AI

需給予測AIをざっくりと説明するとこうなります。

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  • 過去の来客データからその日の来客数を予測
  • 来客数を予測することにより仕入れの量を予測
  • 注文されるメニューの傾向を算出し事前準備すべき量を予測
  • 出勤するスタッフの人員調整
  • 消耗品の発注量予測

 

これらの項目を需給予測AIで一元管理を行い、お客に対して丁寧かつ迅速なサービスを提供することが可能になるというまさに『ぶっ飛んだAI』なんです。

しかも的中率は90%以上ッ!まさに未来に向け、最先端で生きている企業って感じがしませんか?

最初は失敗続きだった

的中率90%以上のAIといわれてもピンとこないし、ほとんどの人は胡散臭いという気持ちが先行してしまうことでしょう。

当たり前のことですが、ゑびやの需給予測AIは最初からこれほどまでも予想的中率を誇ってはおらず、当初は30%程度の予想的中率だったとのこと。

これほどまでに的中率を伸ばせたのは間違いなく小田島さんと堤さんの努力あってのことだということを見落としてはならない。

ゑびやぶっ飛びポイント

今回のイベントに参加していて5000兆回くらい『ゑびやってぶっ飛んでんな』って思ったのでポイントを纏めてみました。

ほぼ未経験からのAI開発

なんといってもこれ。需給予測AIの開発するにあたってアサインされたのはプログラミング経験がほぼ皆無の堤さん。

どんな手品を使ったのかは全くわかりませんが、わずか数ヶ月でAIを完成させてしまうぶっ飛び人材なんです。多分魔法使いか未来人のどちらかだと思うのだけれど、その素性は誰も知らない。

独学だろうとガッツリ勉強すれば数ヶ月で簡単なAIを開発することは可能ですが、ここまで実用的なAIを短期間で開発するのは誰もが真似できることではありません。

ここまで使いやすくかゆいところに手が届くAIを開発できたのは、プログラミングのスキルがあったというよりも現場で働いている人間だからこそ絶対に外せない【要件】をまとめることができたのだと思う。

現場を見てきた人が作るシステムほど強いものはないですね。

客単価を上げつつ満足度も上げてしまう好プレー

飲食店を営んでいる人であれば心あたりがあると思うのですが、客単価を上げようと考えるとどうしても値上げを敢行しなければならないため、値上げが原因で客離れを起こしてしまうことを危惧してしまうもの。

しかしながらゑびやでは、客単価をしっかりと上げつつも顧客満足度も同時に向上させてしまうという好プレーをやってのけました。

その証拠に、今現在(2018/04/10)、伊勢のランチ食べログランキングでは2位という好成績を残しています。

細かい数字は伏せますが、客単価が倍近くになったそうですよ(小声)

お客の満足を追求…だけじゃ終わらない

売上は上がった、業績は好調。しかしゑびやはそれだけじゃ終わらない。

ゑびやの理想はお客の満足度だけではなく、あくまでも お客・従業員・生産者 全ての満足度を高めることを最大の目的としており、勿論力も入れています。

話を聞いていて最も驚いたのは以下の二点。

 

  • 生産者から仕入れる際に価格交渉は行わない
  • 従業員の負担を出来るだけ減らし、最終的に12ヶ月の内1ヶ月を休暇とするバケーション制度の構築を模索中

 

仕入れの価格交渉を行わない。これってあまりにも革新的だと思いませんか?一般的な飲食店であれば、如何に安く仕入れるかという事を考えるなかで、ゑびやでは全く価格交渉を行わないというのです。

勿論、価格交渉は行わない分いい食材を納品してくれるように口添えはしているようですが、生産者としても納得できる価格で納品させてもらえるのであれば、良い商品を納品したくなりますよね。まさにWIN-WIN。

従業員に対しても、需給予測AIをフル活用することにより最低限の人員を導入しつつも仕事の負担を減らす事に成功し、年々休暇数が増えてきているとのこと。これもWIN-WIN。

言葉に出すだけならたやすいですが、ちゃんと実現している辺りがゑびやクオリティ…恐るべし。

需給予測AIが見せる飲食業の未来

ゑびやが開発した需給予測AIですが、実は今後月額1万円程度のサービスとして展開していく予定とのこと。

正直、このサービスが展開されれば飲食店のあり方が大きく変わってくると革新しています。

とはいえ需給予測AIを活用するためにはまず、過去のデータをしっかりと残すもしくはこれからちゃんとデータを取る必要があるので、最初の内は少し億劫になるかもしれません。

面倒くさい作業ではありますが、この手間に時間を割くことが出来れば確実に未来を開くことが出来るはずです。

新しいことに順応していくことが出来るかどうか…これが飲食店に課せられた最大の障害かもしれません。

仕入れのロスを減らし従業員の負担も減らしお客への提供時間も短縮できる可能性を示してくれる【需給予測AI】…あなたは使いたいと思いますか?それとも胡散臭いと思いますか?

最初の方にも書きましたが、殆どの飲食店関係者が胡散臭いと思うでしょう。ただ、そこをあえて騙されたと思って使ってみると世界が変わるかもしれませんよ。

秀才の上間・天才の小田島

実は今回、イベントのメインはゑびやさんであるのだけれど、ゲストとして沖縄が誇る有名天ぷら店『上間天ぷら店』の上間喜壽(よしかず)さんも参戦していました。

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上間喜壽(よしかず):株式会社上間フードアンドライフ・株式会社U&I代表取締役社長。

 

【経歴】大学卒業後、財務トラブルに陥った家業のお弁当惣菜店の立て直しのため代表に就任。2億の負債を抱えた状態から経営をスタート。就任後7年で売上を1億から約5倍の5億円まで増やし、スタッフも総数70名を超えるまでに成長。店舗も5店舗を展開し、ケータリング事業もスタート。別会社ではマネジメントコンサルティングとシステムを用いて経営課題の解決を支援する。

 

参考リンク:上間弁当天ぷら店

 

財務トラブルからスタートした上間さんは、とにかくお店を立て直さなければならないまさに 背水の陣 からのスタートであったのに対して、ゑびやの小田島さんは既に盤石な地盤があった状態でのスタート。

全く毛色が違う二人が話していることを聞いていて、僕は直感的に上間さんは秀才で、小田島さんは天才だと感じました。

上間さんはどこまでもロジカルに物事を考えて確実に成果を出していくのに対して、小田島さんは他の追随を許さない圧倒的な発想力と問題解決力で成果を出していくから。

もちろん、どちらもデータを扱うスペシャリストであることには変わりないのだけれど、後者は間違いなくぶっ飛んでいる。一般人が『出来るわけがない』という問題をいとも簡単に乗り越えてしまうのだから、この表現はおそらく間違えてない。

しかしお互いに共通している点、それは幸せになるため(するため)に一切手を抜かないこと。

どちらもデータ分析という手法を通じてニーズを把握して実践、そして目に見える成果を出している。

現状を打破したいという強い心と行動力を持っているからこそ、成し遂げることが出来たのではないでしょうか。

結局のところスタート地点なんて関係なくて、為せば成るということ。二人の生き方はそれを体現しています。

この二人の前だと『出来ない言い訳』が出来なくなっちゃうからね、うん。

とにかく美味しい料理を作る!そんな時代はもうおしまい

飲食業を営んでいる人の多くは、両者共に飲食業のくせにデータ分析ばかりやっている、お金のことばかり考えていて卑しいと思うかもしれない。

しかしながらそれは、自分たちが思いもしなかった方向からアプローチを行い成果を出している両者に向けられた羨望と嫉妬心だと僕は思う。

だって、時間を掛けるだけじゃなく工夫次第で美味しい料理は作れるし、逆に手間をかければお客が満足するという時代でもない。

もう根性論だけでは経営が成り立つ時代は終焉を迎えてしまったのだから。

これからは必要な手間はしっかりと、不必要な手間は徹底的に削り取るという事を重要視するべきではないだろうか。

エピローグ:思考停止

 

1週間の内5日は引きこもっているニートには刺激の強すぎる話だったので、正直今でも思考停止しています。

ちなみに親に需給予測AIについて話したら『アンタ騙されてるんじゃないの?』って言われたのでやっぱりぶっ飛んでるんだと思います。僕騙されてる…?( ◜ω◝ )

まぁ何が言いたいかというと、今後もゑびやの活動から目が離せないってことですよ。僕も自室から暖かく見守ります。

おわりっ!

 

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